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指導コラム
解説「等分のわり算」と「とっていくわり算」 小5小6
 
算数の基本である「わり算の2つの意味」について解説します。小学生の算数の授業中、毎回のように私の口から出てくる言葉「これはどっちのわり算?」…全てのわり算は「等分のわり算」と「とっていくわり算」に分けることが出来ます。

では、実際に文章題で考えてみましょう。
 
「問題1」
8個のあめがあります。4人の子どもに同じ数ずつあげたとすると、1人分は何個になりますか?
まず絵に描いてみましょう。


これを線分図に表すと…

「8個を4等分」して「1人分の数を求める」ことになりますね。

式は 8÷4=2 となり、答えは「2個」になります。
 
では次の問題はどうでしょう?
 
「問題2」
8個のあめがあります。1人の子どもに4個ずつあげるとすると、何人の子どもにあげられるでしょうか?
絵に描いてみましょう。


線分図に表すと…


これは数が小さいので、答えは「2人分」と見ただけですぐにわかります。でも、同じ問題でもあめが100個以上あったとしたらすぐにはわかりませんよね。イメージとしてはあめを4個ずつとっていって、1回とれたら1人分、2回とれたら2人分…とし、何回とれるかを考えます。「8個から4個ずつとっていって」「何回とれるかを求める」ことになります。

式は 8÷4=2 となり、答えは「2個」になります。
 
これが「とっていくわり算」です。

ただこの呼び方は西村セミナールームだけのもので、本当は正しい名前があります。「等分のわり算」は「等分除」、「とっていくわり算」は「包含除」です…なんだかカッコイイですね。でもやっぱり、塾ではわかりやすく「等分のわり算」と「とっていくわり算」とこれからも言っていきます。

「問題1」も「問題2」も式は同じ「8÷4=2」なのですが、意味は全然違うのです。

わり算はかけ算の逆で、「問題1」ならば、右の式の を求めるためのものであり、  
× 4 8
1人分の数
(1あたりの数)
  人数
(いくつ分)
   

「問題2」 ならば、右の式の を求めるためのものになっています。  
4 × 8
1人分の数
(1あたりの数)
  人数
(いくつ分)
   

(1あたりの数)か(いくつ分)か、そのどちらを求めればよい問題なのかということを、文章を読んで理解して式に立てていくことが本当に大切です。

ただ「わり算すれば答えは出るはず」とだけ考えて式を立てていた人は、実はしっかりとわかっていないまま「なんとなく」で解いていたのではないでしょうか?これは先々でつまづく可能性があります。又、お母さん方も「ほら、わればいいじゃない」 と、しっかりとした理由も説明できないままにわり算をさせて、子どもはよくわかっていないまま…ということがありませんか?

この2つのわり算の意味が本当にわかれば、小学校や中学校の文章題はすっきり理解できます。「何倍でしょう?」「単位量あたり」「速さ」などもこれで説明が出来ます。ですから、まずはこの2つの意味を理解して下さい。

理解できたと思ったら、実際に簡単な文章題に挑戦してみましょう!
>> 実践問題に挑戦!
 
問題「等分のわり算」と「とっていくわり算」 小5 小6
解答「等分のわり算」と「とっていくわり算」 小5 小6
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